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『膿皮症』に対抗するべく「免疫力」を高める薬膳&マッサージを考えてみた
「PYIA ペット薬膳管理士」や「JPMA ペットマッサージ・セラピスト」といった資格を各種持つ『ペット東洋医学スペシャリスト』こと親びんでございます。
テリーとリアンです
わんこの疾患の悩みとして皮膚・被毛問題…いわゆる『膿皮症』の子が多いそうですが、みなさまも悩んでいたりするでしょうか?
幸いにもテリーくんとリアンくんは『膿皮症』で悩んでいませんが…ペット東洋医学の資格を持つ身として少し考えてみたいと思います!
この記事でわかること
- 『膿皮症』とは
- 免疫力を高めるための薬膳
- 免疫力を高めるマッサージ などなど…
『膿皮症』は予防することができる?
先日テリーくんとリアンくんと街を歩いていたら、インスタグラムで知り合ったお友達にばったり会いまして、その時に
『膿皮症』に良い商品なんかあったら教えて欲しい
という話を聞きました。
その場では手作りごはんに関するお話しかできずなんとも悔しかったので…お家に帰ってきてから調べてみたのでシェアしたいと思います!
原因:細菌の過剰増殖?
『膿皮症』というものをよく知らないので、まずは調べるところから始めたいと思います。
敵を知ればなんちゃら…ってやつですな!
ってことで調べてみたところ、そもそも『膿皮症』とは細菌が皮膚で過剰に増殖して発症する皮膚病のことですが、一概に『膿皮症』と言えども原因や症状は様々。
一番多いのは「表在性膿皮症」
『膿皮症』と呼ばれるものでも、発症する場所(深さ)によって呼び名も症状も変わります。
- ○表面性膿皮症
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- 発症場所
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皮膚の表面(角質層)で細菌が増殖。
- 主な症状
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皮膚の赤みや痒み、ジュクジュクした炎症が現れる。
- ○表在性膿皮症
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- 発症場所
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表皮や毛包内で細菌が増殖
- 主な症状
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小さな赤い膨らみ「丘疹(きゅうしん)」やニキビのような白い膿が溜まった「膿疱(のうほう)」、痒みや脱毛。
膿疱がつぶれドーナツ状のフケやかさぶたが付着する「表皮小環」、さらに時間がたつと炎症の後にメラニンという黒い色素が皮膚に沈着「色素沈着」などが現れる。
- ○深在性膿皮症
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- 発症場所
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皮膚の深い部分(真皮や皮下組織)で細菌が増殖。
- 主な症状
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皮膚が腫れジュクジュクし、膿や血が出てくる。
これらの中で一番多い『膿皮症』は、表皮や毛包内で発症する「表在性膿皮症」らしいです。痒がっていることが多く、皮膚の赤みやフケが増えていたら『膿皮症』なのかも知れないので、病院で診てもらうことをオススメします。
細菌の増殖原因は…免疫力低下?
『膿皮症』は、主にブドウ球菌と呼ばれる細菌が過剰に増殖することが原因と言われていますが、ブドウ球菌は人間や犬の皮膚にもともと存在する常在菌で、健康なときは悪さをしないと言われています。
それなのに、なぜ『膿皮症』が発症してしまうのでしょうか。それにはまず、細菌が過剰に増殖する理由を考えなければなりません。
細菌が過剰に増殖する理由も、色々と考えられます。例えば…
- 高温多湿な環境
- アレルギーや精神的な要因による引っ掻き行動
- 皮膚バリア機能の低下
- 栄養不良
- 内分泌疾患や腫瘍
- 寄生虫疾患などの病気
- 免疫力の低下 などなど…
これら単一、あるいは複数の要因が重なるなど皮膚のバリア機能が崩れるとブドウ球菌が異常に増殖して『膿皮症』を引き起こすようです。
しかし、甲状腺機能低下症や脂漏症などの基礎疾患により皮膚のバリア機能が崩れている子は、その基礎疾患を治さないと比較的再発する子も多いとのこと。
いずれにしても細菌を繁殖させない…あるいは細菌に負けないような身体を作る「予防」が大事!それに対抗する術を考えなければなりません。
何はともあれ「免疫力」強化を目指す
細菌を繁殖させない・負けないような身体を作ることで「予防」となるのなら、東洋医学的目線で対抗していきましょう!
「PYIA ペット薬膳管理士」や「JPMA ペットマッサージ・セラピスト」「CACIO 動物経絡温灸取扱者」といった資格で得た知識を元に、効果が期待できる食材やマッサージを紹介したいと思います。
細菌に対抗するなら「免疫力」に目を向けなければなりません。早速「免疫力」アップを目指して試行錯誤していきたいのですが…その前にひとつ。
東洋医学ではひとりひとりの体質を見て、なんでその症状が現れるのか…今回で言うと「なんで『膿皮症』が現れたのか」「なんで免疫力が落ちたのか」を考えるのですが、ブログでそれは難しいのが現実。
なので、ひとまずここでは「免疫力」を高めるための方策だけに注目して探っていくことにします。
薬膳:身体は食べた物で出来ているのなら…
まずは薬膳から考えてみましょう!
ワンコも人間も、身体は食べた物から作られます。なので、身体を変えたいなら食べ物を見直すのが先決。食べ物の力を借りて「免疫力」を高める方法を探っていきましょう!
免疫といえば「腸内環境」
免疫細胞は、約7割が腸内(小腸に5割・大腸に2割)に存在すると言われているので、「免疫」と言ったら「腸内環境を整えるべし!」と考えても過言ではないのです。
腸内には数100兆個もの細菌が存在し、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌」のバランス(腸内フローラ)が重要で、食生活などが乱れると「悪玉菌」が増殖し、腸内のバランスが崩れることで免疫力が低下すると考えられています。
腸内環境を整えるのに大事なのは…
- 腸内に潤いを与える
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腸内が乾燥すると便秘の原因になり、「悪玉菌」が増加し腸内環境が乱れる傾向にあります。
腸内に潤いを与える効果を期待できる食材に、ネバネバ食材や緑黄色野菜などがありますので、効果的に取り入れたいところ。 - 「短鎖脂肪酸」を作り出せるようにする
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腸内の粘膜付近で有害物質の侵入を予防したり、腸内を弱酸性に保ち悪玉菌が出す酵素の働きを抑制するなど…腸内フローラのバランスを整えるために必要な「短鎖脂肪酸」。
身体に必要な「短鎖脂肪酸」は酢酸や酪酸と言われています。リンゴ酢やカッテージチーズなども効果的です!
また「短鎖脂肪酸」は、腸内細菌が食物繊維を分解する際に生み出されます。そのために食物繊維を効果的に取り入れる必要があります。食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類ありますが、どちらかに偏ることなくバランスよく与えましょう。
- 「善玉菌」を増やす
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「悪玉菌」が増加し、腸内フローラが乱れることがあります。これを元に戻すには「善玉菌」を増やすことが重要と言われています。
「善玉菌」を増やす効果が期待できるのは、「善玉菌」を含む食材の発酵食品を効果的に取り入れていきましょう。
ワンコOKな発酵食品でオススメなのは、納豆や味噌などが代表的です。
炎症を抑える脂を摂るべし
合わせて、意識的に変えたいのは「脂」です。市販のドッグフードの原材料などを見ると「動物性油脂」とだけ書かれているものをよく見ます。この「動物性油脂」には何が含まれているのでしょうか?
「脂」にも種類があるのはご存知だと思います。「オメガ6」とか「オメガ3」というやつですね。
「オメガ6」は白血球を活性化して病原菌などと戦い、「オメガ3」は白血球の働きを抑制し炎症を抑えると言われており、どちらもバランスを取る必要がありますが、先述の通りドッグフードを与えているとバランスが崩れることが懸念されます。
また…ドッグフードは生産されてから口に入るまで、かなりの時間がかかることが想定され、そうすると脂が酸化し身体が錆びつくことも心配の1つ。
さらに、「オメガ6」を減らし「オメガ3」を増やすことでアトピー性皮膚炎増悪を抑制し、改善に繋がっているものと推察されるという研究結果もあります。
これらのことから、「オメガ3」のDHA・EPAを豊富に含むお魚を率先して与えられるよう、フードローテーションやおやつの種類に「お魚メニュー」を加えるようにしましょう。
参考サイト ー 日本脂質栄養学会『オメガ3とアトピー性皮膚炎』より
対策メニュー「鮭のちゃんちゃん焼き風」
ということで、今回作ってみる料理は…今が旬の「鮭」と発酵食品の「味噌」を摂れる『鮭のちゃんちゃん焼き』を作ってみようと思います。
- ○材料
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- 鮭
倦怠感・疲労・貧血・胃腸の冷え・胃腸虚弱・下痢・めまい
- キャベツ
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胃痛・胃もたれ・胃腸虚弱・食欲不振・消化器系の潰瘍・腹部の膨満感・虚弱体質・疲労
- ナス
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解熱・血の巡りを良くする・腫れやむくみを取る・胃腸を健康にする・痛みを止める
- 人参
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消化不良・食欲不振・下痢・便秘・ドライアイ・夜盲症・目の疲れ
- 里芋
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便秘・下痢・疲労
- しめじ
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肝病・腫瘍・高血圧・糖尿病
- モロヘイヤ
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暑さによる食欲不振・生活習慣病
- 味噌
- ○作り方
- 鮭を煮る
- 野菜を細かく刻み、鮭の出汁で煮る
- 野菜に火が通ったら火を止めて、ワンコ用の味噌を溶く
- 鮭と野菜を合わせて人肌に冷ます
- ○実食
あっという間に完食してしまったから、食事中の様子はなし(汗)
薬膳は食べてすぐ効果が期待できるものではなく、時間をかけて体質が改善していくと言われているので、食いつきが良いのは非常に良い傾向。
我が家は1日3食あげていますが、食べ残すことはあまりありません。時々テリーくんが朝食を食べないくらいですが、まぁそれは普通にお腹がいっぱいで食べないだけかな?お昼以降はきっちり完食するもんね。
マッサージ:全身を流れるエネルギーと老廃物
お次はマッサージを考えてみましょう。
「免疫力」に関わってくるのは…人間同様「リンパ」のケアが重要です!リンパマッサージをしている様子を、説明を交えつつ動画を撮ってみたので、お手隙の際にでも観ていただけると少しはわかりやすいかと思います。
リンパはワンコも滞る
免疫細胞は血液に乗って身体中を巡り、血液とリンパ液に乗って心臓へ帰ってきます。血液は心臓のポンプ機能で自力で流れることができますが、リンパ液にはポンプ機能が無く身体を動かしたり撫でられることで生じる振動で流れていると言われています。
そんなリンパ液なので、運動不足などで滞ってしまうと老廃物が溜まったり免疫力の低下につながるので、マッサージしてしっかり流してあげることが大事!
人間もワンコも基本的な身体の構造は一緒なので、大事なリンパ節(膝の後ろ、股関節、脇の下、首)を通り、左肩にあるリンパの最終出口(心臓に戻る)へと繋がります。
上記の動画も参考にしてもらいながら、これらの部位をしっかりマッサージしましょう。
「免疫力」は一朝一夕に回復しない
食事やマッサージなど「免疫力」を高めることで、皮膚の疾患『膿皮症』の改善・予防が期待できるのではないでしょうか?
『膿皮症』に関わらず「免疫力」ひいては腸内環境を整えるに越したことはありません。もちろん飼い主人間も。
今回は発酵食品に「味噌」を使いましたが、ペットにあげて良い発酵食品は他にもたくさんありますので、また紹介したいと思います!今、発酵食品を手作りする実験を重ねている最中なので、ぜひご期待していてくださいね。
ペット東洋医学の資格を各種取得し、ペットの「健康で長生き」のお手伝いをさせていただいている『ペット東洋医学スペシャリスト』の親びん。
現在はイベントなどでアドバイスをさせていただいておりますが、ご依頼があれば出張やZOOMでの対応も可能ですので、ご興味あれば以下のボタンからご連絡ください!
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