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テリーの体質改善を目指し、経絡のマッサージ+温灸を実践!(23年09月現在)
「PYIA ペット薬膳管理士」や「JPMA ペットマッサージ・セラピスト」といった資格を各種持つ『ペット東洋医学スペシャリスト』こと親びんでございます。
テリーとリアンです
前回、ペット東洋医学の知識をもとにテリーの体調・体質を探ってみたところ、テリーの体質は脾と腎が弱り体が冷える『脾腎陽虚症』で、体内の水分が滞る「水滞」体質であると判明しました。
そんなテリーの体質改善を図るべく、経絡・ツボマッサージを考えてみたいと思います!
この記事でわかること
- 自宅でできるペットケア
- ペット東洋医学をもとに体質の改善
- 経絡と身体の関係性 など…
テリーの体質改善シリーズ(併せて読んでみてね)
バランスを元に戻すことが大事
西洋医学では、どこか不調なところがあればそこを重点的に治す、その病因を取り除くことが多いと思います。
東洋医学では、五臓六腑や陰陽など身体を作っているすべてのもののバランスをよくすることを目指します。そうすることで自己治癒能力を伸ばし改善を図ることが多いです。
テリーくんは『脾腎陽虚症』で脾と腎が弱っているのでケアしつつ、体が冷える体質(陽気不足)を整えることで、体内に水分が滞る「水滞」体質の改善を図りましょう!
経絡と臓腑の関係性
というわけで、親びんが所持している資格「ペットマッサージ」と「薬膳」のうち、今回は「マッサージ」で攻めていきましょう!
人間もワンコも身体中に経絡という生きていく上で重要な気と血の通り道が走っている…と、東洋医学では考えています。臓腑や筋肉、皮膚など全身を循環し栄養を与え、機能を調整しています。
そして腕には肺へと繋がる「太陰肺経」があったり、足には腎へと繋がる「少陰腎経」など…、経絡は各臓腑に繋がっていると考えられているので、もし臓腑に変調があるときはその経絡上に反応が現れます。
また、経絡の中に流れている気血が滞ることで、経絡と繋がる臓腑の不調を引き起こすとも考えられます。
これらは「鶏が先か、卵が先か」ではありませんが、経絡の中の気血が滞るから臓腑の不調が起こるのか、臓腑の不調で体が痛いのか…まぁ表裏一体で両方起こりうることでしょう。
なので、経絡をマッサージすることで気血の流れを良くし、臓腑の不調も改善していこう!というのが、経絡マッサージになります。
さらに経絡の要所にツボがあり、そのツボを刺激された力が経絡に伝達。経絡を流れる気血が動くことで、より臓腑が活性化することを狙います。しかしツボは場所を特定することが結構難しいので、最初のうちは経絡のマッサージがオススメ!
テリーにオススメ経絡
というわけで、テリーくんの脾腎の経絡・ツボを中心にマッサージしていきましょう。
後ろ足にある腎の経絡「後肢少陰腎経」を中心に、腎と表裏関係のある膀胱の「後肢太陽膀胱経」。
次に脾の経絡「後肢太陰脾経」と、脾と表裏関係のある胃の「後肢陽明胃経」。
最後に水の通り道である三焦の経絡「前肢少陽三焦経」と、三焦と表裏関係のある心包の「前肢厥陰心包経」。
この6本をざっくりと説明していきたいと思います!
腎と膀胱
- 後肢少陰腎経
後ろ足の一番大きな肉球から始まり、内くるぶしを一周。
内ももを上り鼠蹊部を通り、ヘソの両側を通り人間の鎖骨っぽいところでゴール。特徴的なツボ紹介(参考程度にどうぞ)
- 原穴(原気不足時に使用する)太谿[たいけい]=内くるぶしとアキレス腱の間の凹み
- 絡穴(慢性時に使用する)大鐘[だいしょう]=「太谿」の尾側。アキレス腱の付着部
- 郄穴(急性時に使用する)水泉[すいせん]=「太谿」の真下。踵骨隆起の頭側にある凹み
- 後肢太陽膀胱経
目頭から始まり、おでこから頭上、首へ。
背骨の横を並行に走り、お尻を通って膝の裏へ。
さらに太ももの後ろを通って、小指の爪でゴール。特徴的なツボ紹介(参考程度にどうぞ)
- 原穴(原気不足時に使用する)京骨[けいこつ]=後ろ足小指の付け根。凹みがある。
- 絡穴(慢性時に使用する)飛揚[ひよう]=膝のお皿の中心とかかと結んだ線上の中間点。
- 郄穴(急性時に使用する)金門[きんもん]=「京骨」の少しかかと側。凹みがある。
脾と胃
- 後肢太陰脾経
後ろ足親指から始まり、内くるぶしを通り太もも内側をのぼり、脇腹を頭側へ進み胸でゴール。
特徴的なツボ紹介(参考程度にどうぞ)
- 原穴(原気不足時に使用する)太白[たいはく]=後ろ足の親指※。
- 絡穴(慢性時に使用する)公孫[こうそん]=後ろ足の親指※。
- 郄穴(急性時に使用する)地機[ちき]=内くるぶしと膝裏を結んだ線上。膝裏から見て1/3。
- 後肢陽明胃経
目の下から唇の縁に沿って耳の前へ。首、胸、腹部と進み太もも外側を下り、後ろ足人差し指でゴール。
特徴的なツボ紹介(参考程度にどうぞ)
- 原穴(原気不足時に使用する)衝陽[しょうよう]=後ろ足人差し指と中指との付け根。
- 絡穴(慢性時に使用する)豊隆[ほうりゅう]=スネの骨の真ん中。
- 郄穴(急性時に使用する)梁丘[りょうきゅう]=膝の皿の少し上(外側)。
三焦と心包
- 前肢少陽三焦経
前足小指の外側から始まり、前足外側を上って肩・首へと進む。
耳の後ろを通って口角側へ進み、眉の外端でゴール。特徴的なツボ紹介(参考程度にどうぞ)
- 原穴(原気不足時に使用する)陽池[ようち]=手首の真ん中。
- 絡穴(慢性時に使用する)外関[がいかん]=腕の太い骨(橈骨)と細い骨(尺骨)の間。「陽池」から1/6。
- 郄穴(急性時に使用する)会宗[えそう]=腕の太い骨(橈骨)と細い骨(尺骨)の間。「陽池」から1/4。
- 前肢厥陰心包経
胸から始まり、腋の下から前足内側を下る。
手根から掌側へ入り、掌球の尾側を通って前足薬指の内側末端でゴール。特徴的なツボ紹介(参考程度にどうぞ)
- 原穴(原気不足時に使用する)大陵 [だいりょう]=手首の内側。
- 絡穴(慢性時に使用する)内関[ないかん]=腕の太い骨(橈骨)と細い骨(尺骨)の間。「大陵」から1/6。
- 郄穴(急性時に使用する)郄門[げきもん]=腕の太い骨(橈骨)と細い骨(尺骨)の間。「大陵」から2/5。
気がついたらやるべし!
この経絡を日々マッサージして、気血の流れを良くして臓器の働きを改善できるよう頑張りましょう。
もちろん、ケアできる方法はもちろんマッサージだけではありません。
身体を作るのは食べたものから!というわけで、次回はテリーの脾と腎が弱り体が冷える『脾腎陽虚症』で、体内の水分が滞る「水滞」体質を食事の面からケアしていきたいと思います!
おまけの温灸
親びんは「CACIO 動物経絡温灸取扱者」という資格も持っています。温灸で患部や経絡を温めてケアしていこうというものです。
特にテリーの冷えや「水滞」体質にはうってつけな手法ですが、ちょっと特殊な道具が必要になるので、ここでは「おまけ」とさせていただきました。
その様子は動画にしてみましたので、併せてみていただければ幸いです!
ペット東洋医学の資格を各種取得し、ペットの「健康で長生き」のお手伝いをさせていただいている『ペット東洋医学スペシャリスト』の親びん。
現在はイベントなどでアドバイスをさせていただいておりますが、ご依頼があれば出張やZOOMでの対応も可能ですので、ご興味あれば以下のボタンからご連絡ください!
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